保育園入園に向けた「保活」の常識について

「待機児童ゼロの目標は必ず実現する。」

安倍晋三首相は今年の施政方針演説でこう強調しています。

政府が初めて「待機児童ゼロ」の目標を掲げたのは2001年。目標年は先送りされ続け、現在は「2020年度末までに」となっていますが、実現への道筋は一向についていません。

さらに10月から始まる幼児教育・保育の無償化によって保育園入園申し込みが増え、待機児童数が増える可能性もあるでしょう。

都市部を中心に「保育園落ちた」と嘆く親はいまだに多いですが、保育園に入れるかどうかは、育児休業中の方は、仕事復帰を左右するだけでなく、復帰を待つ職場にとっても人員配置に関わる問題になったりと、何かとシビアな問題です。

共働き世帯にとって、安心して子どもを預けられる保育園は欠かせないインフラです。

今回は私自身が保活を経験して、感じたことや、誰もが皆が抱える様々な疑問に答えるために記事を書きます。

 

・保活ってそもそも何をすればいいの?

 

・やっぱり4月入園が良いの?

 

・認可保育園と、認可外保育園の違いは?

 

・地域によって保育園の入りにくさが違うの?

 

・ベビーシッターっていう選択肢はありなの?

 

・入所の基準は?点数は?

 

などなど、いろいろな疑問があるかと思います。その一つ一つに自身の経験を踏まえて答えていきたいと思います。

保活ってそもそも何をすればいいの??

 

“保活”とは、情報収集や職場との調整など、保育園入園を勝ちとるために行う活動のことなどを、指します。

ただ、子どもを保育園に入れるためにお父さん・お母さんが行う活動はすべて保活と言えるでしょう。

たとえば

・保育園の見学にいく

・役所に話をききにいく

これらも『保活』になります。

私が聞いた”保活”のリアルとしては、入園しやすい地域に引っ越したり、入りやすい4月入園から逆算して妊娠時期を決定する人もいるようで、涙ぐましい努力をしている人もいます。

しかし、基本は、以下に挙げている“情報収集”、“園の見学・説明会への参加”だと思います。

情報収集

市区町村の役所の保育課に行って、自分の住まいの近くにある保育園が掲載された案内やパンフレットを受け取ります。ネットで情報を集めればいいじゃん!ってなるかと思いますが、住んでいる地域や年度によって制度や条件が違うので、まずは役所に足を運んだ方が良いでしょう。

案内には、認可保育園をはじめ、認可外保育園や保育室、保育ママといった、さまざまな種類の保育所情報が載っています。自宅から通える範囲にどのような保育園がどのくらいあるのかが一目で分かるので便利です。

実際に足を運ぶと、待機児童の状況や申し込み書の書き方・提出方法についても詳しく教えてくれるので、できるだけ足を運ぶようにしましょう。

私は、実際に行ったら、前年度の入園の審査にかかる点数のボーダーラインとか、HPとかに公表していない情報も教えてくれたので、絶対に足を運んだ方がいいですね。

園の見学・説明会への参加

役所でもらった案内や情報をもとに、希望する保育園を決めていきます。

認可保育園の申し込みの際には、希望する保育園名をいくつも書くことができるので、多めに候補をあげておきましょう。待機児童が多い地域では、認可保育園だけでなく認可外保育園も候補に入れておくといいですね。

希望する保育園は、見学や説明会へ参加することをおすすめします。その際、自宅からの通園ルートや所要時間、園から職場までの所要時間、園の施設、先生や園児の様子、周辺の雰囲気といった点をチェックすることが大切です。

認可外保育園の場合、見学や説明会に参加していることが入園申込みの条件に含まれていることがあるので、必ず確認しておきましょう。

 

やっぱり4月入園が有利なの?

 

基本的には、4月入園が空きも多く入りやすいと言われています。

4月入園に向けてのスケジュールは、

〇準備

情報収集や園の見学など

〇秋〜冬

自治体に申し込み

〇1〜3月

自治体が入園の可否を通知

〇4月

保育園に入園

2月上旬に多くの自治体では、子どもが入園できるかどうか、結果を郵送で通知します。(入園できない場合は「保育所入所保留通知書」が届く)。2016年に話題になった「保育園落ちた日本死ね」と題した匿名ブログが投稿されたのも2月でした。

認可保育園のクラスは、4月1日の年齢を基準に、4月2日生まれ~翌年4月1日生まれまでの子を同じクラスとして、0歳児クラスから5歳児クラスの6クラス編成になっている園がほとんどです。

認可保育園は、部屋の面積や、子供の年齢に応じた保育士の人数の基準があり、その範囲内でクラスごとの児童の定員が決まっています。

入園の申し込み自体は、4月に関わらず受付しているでしょうが、入園のチャンスが大きいのは4月といわれています。

その理由は何点かあります。

クラスが変わるから

入園しやすいのが、4月の理由は、当然ですがクラスが変わるタイミングだからです。

小学校などの学年同様、保育園でも4月から上のクラスへと進級します。新規児童の受け入れができるようになるのが4月からとなります。

下の表の例を見てください。表は、例えばの数字ですが、4月からの新1歳児クラスの定員は12名としています。0歳児クラスの9人が進級してきたとしても、あと3人は新規児童の受け入れができます。

これが4月に入園がしやすい理由の一つです。このように、玉突き式に、学年が変わるごとに、空きができるのが、4月の時期になります。他の時期では突然の退園などがなければ一度定員に達したらほぼノーチャンスになってしまいます。

引っ越しなど人の移動の多い時期だから

2つめは、親側の理由です。

これも当然のことですが、4月は退職・転勤や引っ越しといった移動の多い時期でもあります。そうした親の事情による保育園の退園がおこりやすいのもやはり4月なんですね。

単純に空いた枠に入れるということです。

入園しやすい時期は4月としても、クラスによって入園のしやすさにちがいはあります。

一般には4月の0歳児クラスは他のクラスにはない理由があり、入りやすいといわれています。

保育園に入りやすいクラスは4月の0歳児クラスだと言われているのは、4月の0歳クラスが入園しやすい理由の1つは、唯一下の学年からの進級がないクラスだからです。

0歳クラス以外は、基本的に在園児童が下のクラスから進級してきますから、定員増加分しか新規入所枠がありませんが、0歳児クラスは原則、定員数分の入園が可能です。

4月の0歳児入園には受け入れ月齢の制限がある

これは特に、4月の0歳児の入園がしやすくなる理由になります。また、入りやすくなる理由にもなるし、実際に入れようとする人の条件にもなる、表裏一体の関係です。

0歳児クラスだけは、保育園の受け入れ開始月齢があります。

さすがに3月31日に生まれた子を4月1日からいきなり預かるわけにはいきませんからね。

0歳児の受け入れ月齢は保育園によって違いますが、たとえば、受け入れ開始月齢を生後6ヵ月以降とする保育園の場合、0歳クラスの4月入園は、前年4月2日から9月30日生まれの子しか申込みできません。

つまり、10月以降に生まれた子は4月はその保育園に入園できません。

これにより、申込者数が少なくなり入園の可能性が上がります。すごく単純計算で考えると、申し込み者が半分になります。

当然、他の1歳児クラス、2歳児クラスなどはこのような制限はありません。1歳児クラスは、4月1日に1歳であれば、365日誕生日がいつだって申込みができます。

4月入園が必ず入りやすいというわけでもない!?

0歳クラスの定員が極端にすくなかったりすれば、当然入りにくくなります。当たり前ですね。いくら進級者がいないとはいえ、定員自体が少なすぎれば入園しやすいとはいえません。

0歳児クラスの定員3名、1歳児クラスの定員12名の保育園が、希望する園だとしたら、4月の入所枠は0歳児3名、1歳児9名です。進級者を加味しても1歳児クラスの入所枠が多いですね。

また、0歳児クラスが存在せず、1歳児クラスからしかない保育園もあったり、0歳児は保育が難しいため、4月の受け入れを定員よりさらに絞るといった保育園もあるみたいです。

年度途中に0歳児クラスに入園して、次年度4月1日に誕生日が来ていない子は4月に進級せず、引き続き0歳児クラスとなります。

例)A年5月5日生まれの子が➔A年12月に入園➔B年4月も1歳になっていないためB年度も引き続き0歳児クラス

受け入れ月齢がかなり早い保育園の場合は4月入園だから有利というわけでもない?!

受け入れ開始月齢の制限があることが4月の0歳児クラスが入園しやすい大きな理由でしたが、保育園によっては生後2か月からOKなど、かなり早くから受け入れができる園があります。

こうした園では、申し込みできない月齢の児童が少ないため、入園の可能性が他のクラスとそう変わらなくなってしまうかもしれません。

希望保育園が月齢で申込不可の家庭の申し込みが、受け入れ月齢の早い園に集中することも予想されます。

4月入園は相対的にみて、入園しやすいですが、子どもや母親にとって体調面などでの負担は大きくなるので、よく考えて入所のタイミングを決めた方が良いでしょう。

 

保育園は地域によって激戦

 

年々、女性の就業率が上昇し、保育園の利用率も上昇していっています。それに伴い、待機児童も上昇しています。また、全国の待機児童データを見るとやはり、都心部に待機児童が集中する傾向にあります。

保育園が足りなくなり、待機児童が増えている理由としては、

 

1.共働きの急増

2.都市部で子どもが増加

3.保育士不足が挙げられます。

(出展)厚生労働省

(出展)厚生労働省

(出展)厚生労働省

よく聞く「認可」保育園と「認可外」の違いは??

 

認可保育園とか、認可外保育園とかよく聞きますけど、違いは何なのでしょうか??なんとなく、「認可外」と聞くと、なんかやばい気がしたのは、私だけでしょうか?

ただ、認可外だから、ダメという訳ではなく、それぞれの家庭の状況や、ニーズに応じて、理解して決めるのが得策でしょう。

 

認可保育園

認可保育園、認定こども園、小規模保育、家庭的保育(保育ママ)など、国が定める基準をクリアして、国や自治体(都道府県、市区町村)から出るお金で運営されているものを、認可と呼びます。

 

認可外の施設

認可以外の施設で、事業所内保育所、ベビーホテルや託児所などもあります。

認可外の施設は、世帯収入に関わらず、子供の年齢によって保育料が一律になっています。また、自治体独自の認定を満たした保育園(後ほど説明しますが、東京都の認証保育園等)などもこちらのカテゴリーに含まれるでしょう。(自宅で子供を預かる保育ママ、延長保育ができる幼稚園)

 

対比表について

違いや、特徴についてを表にまとめてみました。

 

認可保育園 認可外の施設
特徴 知事などが設置を認可。面積や人員配置など細かい基準がある 原則として自由に設置し、保育内容を決めることができる
保育料 保護者の所得に応じて自治体が決める

毎月の保育料の平均は約21,000円(厚労省調査、2015年)

自由に設定

認可保育園よりも高額になる傾向

税金の投入 あり(運営費の大部分を公費負担) なし(公費補助を受ける)
利用できる子ども 市区町村が定めた「保育の必要性」の2号、3号認定を受けた場合に利用できます。 市区町村の認定に関係なく、だれでも利用できます。
保育環境 厚生労働省の定める認可基準を満たし、保育所保育指針にそって運営されます。 独自の考え方で運営されています。施設によって、環境もさまざまで保育の質もにも差があります。
園庭 園庭がある施設が多いですが、都市部では園庭がなく、近くの公園を利用するところもあります。 園庭がある施設は少なく、近くの公園などで外遊びをしています。
給食 施設で、調理師が調理しています。家庭的保育(保育ママ)の場合は弁当持参のところもあります。 原則、施設で調理することになっていますが、仕出し弁当や弁当持参できるところもあります。
保育料 世帯の所得に応じた保育負担額が市区町村によって決められています。 施設により決められています。月払いだけでなく、保育時間による場合もあります。
申し込み先 保育の必要性の認定の申請といっしょに入園申込書類を市区町村に提出します。 直接施設に提出します。書類の内容も施設によって異なります。
設置者 公立と私立があります。 民間(私立)のみです。

自治体を通じて申し込む認可保育園は、保育士の数や子ども1人当たりの面積など国の基準があり、保育料も比較的安いために人気が高い傾向にあります。

東京都の場合だと、認証保育園というものもあります。

認証保育園という制度は、簡単に言うと、東京都が都心部の特性を踏まえ、国の基準とは別に基準を設けて、東京都が認証を与える制度です。条件を満たす保育園は都から、補助金を受け、基準に従い運営します。

東京都のHPにも出ています。

http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/kodomo/hoiku/ninsyo/

認可保育園の保活に必要な「点数」とは?

 

認可保育園に入るための選考は、家庭状況をポイント化した「点数」によって行われます。具体的には、自治体は保護者の就労や家庭の状況に応じてポイント化し、ポイントが高い順に入園を決定していきます。共働き世帯はほぼ横並びだったりするのですが、1ポイント差が入園可否を分けることもあるので、ポイントのルールについてわかっているのと、いないのとでは大きな差になります。

ルールは自治体ごとに違っており、最近は、ポイント制の基準が複雑になってきており、ポイント制の基準が自治体によって細かく決められるようになりました。例えば東京都港区では入園案内書類で4ページにわたって説明していたり、「加点」や「優先」の基準は毎年、変更があったりもします。「保護者になぜ入園できなかったかを納得してもらうため、基準がどんどん細かくなっている」と私の公務員の知り合いも言っていました。

なので、統一的にこうだとは言えないのですが、だいたいのイメージで考えると、

加点される家庭は、

例えば…

・フルタイム勤務

・認可外保育園などに子どもを預け、すでに仕事復帰

・ひとり親、または保護者が単身赴任

・希望する園に兄弟が在園中、兄弟が同時申し込み

逆に、減点される家庭

例えば…

・無職の祖父母が同居、または近くに在住

・自治体内に勤務先はあるが、住んでいない

・自宅で自営

・求職中

また、同点でも「優先」規定があったりします。

例えば…

・所得が低い

・「待機児童」歴が長い

・居住歴が長い

・保護者が保育士、看護師

 

保育園の点数には、「2つの指標」

2つの指標から計算された点数を合算して、その家庭の点数が決まります。

基準指数(基本点数)

1つは基準指数(基本点数と呼ぶ場合も)です。

基準指数は、「どのような家庭か?」を大まかに分けた指数です。

具体的には、父母の勤務日数・時間や、親が病気ではないか?祖父母の介護に追われていないか?などです。

それぞれの事由によって点数が加算されます。

父・母それぞれの点数を合算したものが、その世帯の基準指数となります。

調整指数

2つは「調整指数」です。

調整指数は、基準指数では表せない、家庭の細かい事情を考慮した指数です。

具体的には、祖父母が近くに住んでいないか?兄や姉と一緒の保育園を希望しているか?などです。

点数の内訳は、基準指数のほうが高くなっています。

しかし基準指数はアップしづらく、調整指数はやり方によってはアップできます。

 

保育園に落ちたらどうしたらよい??

まずやるべきこと

認可外保育園などの状況を確認したほうが良いでしょう。

認可外保育園やベビーシッター、一時保育施設などを改めて探したり、地域の範囲を広げて、認可保育園の2次募集に応募することも考えましょう。

育休明けで職場へ復帰する予定になっていたのであれば、当面復帰できない場合に備え、職場へ連絡し相談する必要があるでしょう。

また、短時間勤務、在宅勤務、育休の延長など様々な策について検討する必要があります。

4月入園できるか判明するのは、けっこう直前なので、そういう場合に備えて、いろいろ準備はしておいた方が良いかもしれませんね。