お金とは何か??~貨幣経済の仕組みと日本経済史~

日本において、通貨の単位貨幣の発行等に関する法律(通貨法)によって、その価値が認められている通貨は、日本銀行が発行する日本銀行券(いわゆる紙幣)と、政府が発行する貨幣(いわゆる硬貨)のみです。

日本銀行券は日本銀行が発行し、硬貨は国が発行しています。国立印刷局が紙幣を印刷したり、硬貨を発行したりしますが、発注する主体が紙幣は日銀、硬貨は日本国政府となっています。

なぜ発行主体が違うかというと、政府が必要以上に通貨を乱発することを防ぎ、健全な経済秩序を維持することが理由です。

過去の歴史からも、不況を脱するために、政府が勝手に紙幣の発行を乱発し、ハイパーインフレーションを招いた過去があるからです。

通貨は、国民みんなが、だれもその通貨を使わなくなってしまえば、価値はなくなり、みんながお金だと信用しているから、機能をしっかり果たすことができます。これを共同幻想の理論といいます。

日本は通貨の価値を保証するために、通貨の偽造防止のための法律や、税金の支払いや給与の支払いも通貨で行うことを法律で定めています。

近年は仮想通貨など、通貨の概念が多様になってきていますが、それでもなお、お金に対する信用は揺らいでいないのは、法律で通貨を経済取引の媒介として使うことをきちんと定めていることも影響していると思います。また、日本という国が安定的に価値を生み出していること、きちんと法律も整備され、国としてきちんと運営されていることから、お金はこれからもきちんとした機能を果たし続けるでしょう。仮想通貨にとって代わられるのはまだ時間がかかりそうです。

昔は、いろいろなものが通貨として使用されていました。

例えば、貝や塩などです。貝や、塩など、時期によって取れる量が変わると、通貨として使いずらいこともあるので、比較的安定的に供給量が保たれる金、銀が使われるようになり、通貨そのものに額面通りの価値を持たせて取引に使うようになります。

江戸時代に入り、両替商というものができ、金と交換できる預かり証を発行しはじめました。これを持っていると、金といつでも交換できることから、通貨のような役割を果たすようになりました。

明治時代に入り、日本銀行が、日本銀行兌換券という金銀と交換することが可能な兌換紙幣というものを発行するようになりました。これは金本位制と言います。ただこれだと、通貨の発行量が金の量に左右されてしまい安定しないというデメリットはあります。

こうして金本位制を取っていた日本ですが、世界恐慌が発生した1929年に大蔵大臣をしていた高橋是清が金本位制を停止しました。そこから、通貨の発行量を政府が調節することで、物価の安定、経済成長、雇用の改善を図る管理通貨制度に移行していくことになります。今の形式の日本銀行券になりました。
今の紙幣は不換紙幣と言われ、上述したように、信用をもとに成立している通貨になります。

その後、日本は世界大戦に入っていくのですが、戦費調達のため、香港など占領しているエリアの現地人に対して、現地通貨の保有を禁止し、“軍票”と呼ばれるものを発行し、強制的に外貨を巻き上げていました。
結局、日本は敗戦することになったので、軍票の債務として効力はなくなりました。結局現地の人にお金は返還されず、いまだに、現在の価値で1000億円以上の軍票が現地で保有されているというので驚きです。

また、日本は戦費調達のために、日本銀行引き受けの国債発行です。国債を大量に発行し、戦費を調達していました。

これらのことにより、戦時中に大量に発行された国債が、一気に償還され、市中に大量の現金が出回ることになります。戦地から帰還したおよそ500万人もの人に政府から退職金が支払われたことで、さらに世の中に現金が出回りました。これらのことが重なり、日本では戦後にハイパーインフレが起こります。物価は300倍くらいになりました。

戦後の混乱の中、アメリカからは、GHQが来て、主に以下のような経済改革を進めていきました。

① 新円切り替え預金封鎖
世の中のお金の量を減らしハイパーインフレの解消を目指しました。

② 財閥解体
三井、三菱、住友、安田などの財閥が資本を独占して、本家が丸儲けしていたのを解体し、自由競争を促しました。

③労働組合の結成
賃金アップ待遇改善により経済の活性化を図りました

④農地改革
国が地主から土地を強制的に買い上げ、農家に配分し、生産意欲の向上をはかりました。

これらの政策を行うことにより、経済面から日本の国力の増強を目指しました。

日本の通貨の仕組みや歴史を学ぶことで、これからの投資予測をする際の教養にできればと思います。

政府が通貨を乱発することで、インフレが起こることなど、歴史に学び、海外の発展途上国へ投資するときには、今後どのようにその国が動いていくのか予測する教養を身に着けることは大事なのではないでしょうか。