公務員が担うイベント立ち上げに関する業務の裏側を詳しく紹介!!

産業分野において、最もやりがい・達成感を感じることができる仕事、また、仕事人としてのオールマイティーな、幅広い能力をバランスよく発揮しなければならない仕事。

 

イベント企画業務

 

について、実体験をもとに紹介していきたいと思います。

  地方の時代と言われている現在、地域に根付いた、町おこしや、産業振興に役立つプランを穣極的に打ち出していくことも、公務員の大きな使命だと思います。この企画業務、いわゆる、対外的な発信事業で、一番イメージ、想像がつきやすい業務として、「大きな会場を借り上げ、多くの人を集客して、その地域のことを知ってもらうような、総合展示会のようなイベント」があげられると思います。税金を投入してイベントを開催するので、投入した税金以上に産業への貢献、地域への貢献につながるのかを、常に考えて企画する必要があることを念頭において、取り組む必要があります。

また、イベントの企画は決して、ある自治体一つや、ある省庁単独などで開催できるものではなく、様々な関係者、団体などと一致団結して、開催することを忘れてはいけません。

常に目的意識を持って進めていくことが大事になります。

ここから先は、実際に私がイベント企画業務に携わった経験を紹介していきたいと思います。

 

総合展示会の企画

 

私がかかわったのは、以下のようなイベント企画です。

 【実用化した製品の展示・実演】

  • 医療・福祉、精密機械、環境、情報などの技術・製品の展示

【ビジネスマッチング会・セミナーの開催】

  • 業界関係者による最新動向や関連技術を紹介し、関連産業への参入を促すセミナー
  • メーカーによるプレゼン・実演を通して製品、システム紹介を行い、商談の場を提供するマッチング会の実施

【各種体験等】

  • 地域の学生向けに興味を喚起するセミナー、海外留学ツアーなどの企画

 

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スケジュール

 公的なイベントの開催はだいたいが秋口に集中しています。これは、公務員組織の予算取りのシステムにも関連しています。たいていの公務員組織は、4月当初から使うための予算を前年の10月ころから、作成し始め、2月議会などで審議され、4月の開始までに議決されます。なので、事業開始は原則4月からなので、準備期間等を考えると、だいたい10月、11月あたりが多くなります。

以下が、だいたいの参考スケジュールです。

期間 業務
10月~11月 内容検討、参考見積もり徴取、予算書作成
1月~3月 公募要領・仕様書作成
4月 プロポーザル公募開始
5月~6月 審査会、出展案内作成、訪問先整理、出展者募集開始、協力企業への依頼・訪問の開始、各種イベント、企画、要職のスケジュール確保
7月 体験コーナー検討、マッチング企画検討、各関係機関後援依頼
8月 出展者募集〆、セミナー講師選定
9月 来場者募集、マニュアル作成、来賓への出席依頼文、セミナーテーマ等 調整、チラシ・ポスター、HP、校正、広報活動開始
10月 出展者マニュアル作成(出展者説明会)、チラシ、ポスター、HP完成、各種イベント最終調整、セミナー進行調整
11月 開催
12月 アンケート集計、開催報告書作成など

 

このスケジュールの中のそれぞれの業務を紹介していきます。

公募要領・仕様書の作成

イベント等を開催するにあたっては、担当者のみの直営で行うことがほぼ不可能です。

なぜなら、イベントの開催などは、様々なノウハウを結集して開催するものであり、省庁や自治体の職員はそのような道の専門家ではないからです。

そこで、民間のイベント企画などを手掛けている会社に運営などを委託して行うことが大半です。

委託して実施する際に、どのような趣旨で行うのか、どのような企画内容にするのか、開催するにあたっての予算額、その他あらかじめ決めておくべき仕様などを記載するのが、「公募要領」と呼ばれるものです。

民間の事業者は、この公募要領を基にイベント事業を引き受けることができるか検討することになります。

民間事業者は引き受けたことにより、採算がとれるのかどうかを良く検討することになるので、公募要領・仕様書を作成する作業は非常に大事になります。

「仕様書」と呼ばれるものは、契約する事業者が決まった後で、事業者に対して契約時の正式な依頼内容として出すものです。

公募要領の内容を基に作成するので、ほぼ同じ内容です。

プロポーザル審査会

聞きなれない言葉ですが、これは、公務員組織において、受注者を決める際の手続きの一つです。公務員組織における業者の決定方法は、主に「競争入札」と「随意契約」があります。

競争入札は、契約締結に必要な条件を一般に公告し、不特定多数の業者に参加させ、最も有利な価格を提示した事業者と契約するオークションのようなものです。一方、随意契約は、いろいろな要素を総合的に判断して、発注者側が任意に特定の相手方を選んで契約する方法です。

ここでは、イベントの運営など、価格だけでは判断できないような事業の委託先を決定する際には、随意契約を選択します。随意契約においても、恣意的に、業者が選ばれることがないように、受託を希望する事業者にプレゼンなどをさせて、一番いい提案をしている事業者を採用するという方式をとることが多いです。この方法が、プロポーザルと呼ばれる随意契約の方法です。

なので、このプロポーザルに応募する事業者は、先に述べた公募要領などを見て、事業の内容を理解し、趣旨に沿った独自の提案を考えてきますので、イベントの最初の土台となる、公募要領や仕様書を作る作業はイベントの骨組みを考えることができるので、非常にやりがいがある作業と言えるでしょう。

出展者集め・セミナー等の依頼

運営の事業者が決まれば、いよいよ、運営事業者とともに、イベントの詳細を詰めていきます。一番、大変な作業は、イベントへ出店したり、講師として来てくれたりするような方々を探してきて、イベントへの協力をお願いすることです。

これは、全国津々浦々を回り、地域を盛り上げるための企画を持ち寄ってくれるような方々に会いに行き、直接交渉をしていきます。非常に困難な仕事ですが、やりがいはあります。

セミナーの講師などを依頼する作業も、中々困難ですが、楽しい仕事です。セミナーの趣旨を検討して、テーマを決めて、そのテーマにあった話ができる人を様々な業界から探してきます。

趣旨に納得していただかないと話をしてもらえないので、あらゆるコネクションをフル稼働させて、仕事に当たる必要があります。

チラシ・ポスター作りやあらゆる広報活動

イベントを開催するにあたっては、より多くの方に企画の存在を知ってもらって、注目度を上げていくことは、かなり重要な業務になります。チラシや、ポスター作りにあたっては、運営事業者だけでなく、その業者から派生してくる、デザイン会社や印刷会社と連携して、綿密な打ち合わせを何度も行いながら、イメージを形にしていく作業を行います。何度も校正を重ねながら、チラシ・ポスターを作成していく業務は非常におもしろい仕事です。

また、HPSNSなども活用して、興味をそそるような、申し込みがしやすくなるよう、いろいろな工夫を重ねていくことも醍醐味の一つです。

マスコミなどにプレス発表などを積極的に行えば、時にはテレビや雑誌など、興味を持った媒体から、アプローチを受け、メディアデビューができることもあります。こういった経験は後の、仕事の経験値だけでなく、今後の人生の糧になる非常に有益なことであると思います。

来賓への対応

公務員の仕事のスキルとして、外部の有識者への対応というのはどの仕事を担当するにしても、重要なスキルだと思います。特に、こういった企画ものの仕事には、イベントを引き締まったものにするために、著名な方に開会式などに参加していただき、祝辞や挨拶をしてもらうことが良くあります。

まず、来賓対応の仕事として、一番重要なのは、参加してもらう人間を確保することです。当たり前のことですが、きちんと趣旨を理解してもらい、スケジュールを確保して、参加してもらうことを確約してもらわなければ、誰も会場に来てくれません。

そういう意味でこれまで組織で付き合いのある著名人へアプローチし、出席を確保していきます。そして、出席を確保した後は、開催までの間に、正式な依頼文を送ったり、当日のスケジュール調整や、送迎の手配、イベントが近づく中でこまめに概要のレクを行うなど、こまめにいろいろな調整をしていく必要があります。

これは地味な仕事ですが、イベントを引き締めるための裏方の大事な仕事になります。

必ず、来ていただく方に失礼のないよう念入りに行わなければなりません。組織人としての対外的な対応能力が鍛えられることになるでしょう。

内部調整

内部からも、要職(局長、審議官、知事、部長など)の出席を予定しているのであれば、こちらもきちんと調整を行う必要があります。企画内容の説明、代表のあいさつ文の作成、スケジュールの調整、送迎等の手配など、様々なロジを組む必要があります。

この、ロジと呼ばれる、各要人の動きをうまくコントロールするスキルは、公務員として生きていく上では、身に着けているとかなり重宝される能力ではあります。

関係者

主催者としての業務

主催者として、プロポーザルによる運営委託事業者の決定、委託事業者と協力して、コンテンツ調整・交渉、来場案内、各種イベント企画を行います。

業務は以下のとおりです。

・会場予約

・委託事業者決定・契約

・協力企業・期間訪問・協力依頼(大手企業・学校への依頼、体験ブースコンテンツ集め、セミナー講演者など)

・広報(各種広報媒体、関係機関への周知、マスコミ)

・後援依頼

・各印刷物の校正及び確認

・セミナーの企画・運営

・オープニングセレモニーの企画・運営

・要人、来賓の調整

運営委託事業者

運営委託事業者で行う業務は以下のとおりです。

・全体運営マニュアルの作成

・外注業者との契約(設営・印刷・HP・バス等)

・配布資料の作成(出展・来場案内、ポスター、ガイドブック)

・出展の受付、出展者への連絡

・出展者マニュアルの作成

・配布資料作成の為の企業からの提出物の受付、出展費の徴収

・セミナー等の設営・運営・準備等

・来場者数・アンケート集計

 

開催準備

 委託先決定・契約・事業実施・支払いまでの流れ

①公募要領・仕様書作成

②公募開始(HPアップ)

③説明会開催

④審査会開催

⑤審査結果通知

⑥契約候補者打ち合わせ

⑦契約

⑧事業実施

⑨実施結果報告

⑩支払い

 関係機関への後援依頼

開催に際して、国、市町村、研究機関、経済団体、支援機関、金融機関、大学、マスコミなどへ後援依頼を行う。

セミナー等の企画

ビジネスマッチングなど商談の機会を増やすためのセミナー等各種併催イベントを実施する。

①講師依頼のための交渉

②依頼文発送

③講演内容等の調整

④セミナー開催告知文書作成

⑤講師謝金等対応

⑥進行シナリオ作成

⑦椅子・マイク・プロジェクター・スクリーン・パソコン・ケーブル・配付資料等の準備

 以上、ざっくりですが、イベント企画に関しては、かなりの業務量があります。これを、担当者がいろいろな人に仕事を割振りながら、進めていくのは非常に高度な技術となります。これら業務が産業振興に関しての主な業務ですが、公務員人生にとっては本当に有意義なものになることは、ほぼ間違いないでしょう!