教育委員会で行う施設関係の業務について

教育委員会での施設関係の業務について、具体的に、こんなにも手広くやっているんだということを解説していきたいと思います。

学校施設の維持管理に関する仕事

 学校施設の管理は、まず第一には学校で対処します。例えば、蛍光灯が切れた、教室のドアが壊れた、水道が壊れたなど、学校で生じる施設に関する不具合について、軽微なものについては学校に配布された予算内で、学校で対応します。施設の管理者は学校長ですので、学校長の責任で学校の管理運営を行います。学校に配属された行政職員は、予算の執行面から、学校の管理運営を支えます。

 ここで、教育委員会はいつ登場するのかというと、学校で処理できない大規模な対処が必要な案件について、対応します。例えば、体育館の照明をすべてLED化するとか、釣り天井の耐震化工事、グランド全体の改修工事、農業高校などの圃場の整備など、予算が何百万、何千万とかかるものについて、業者を手配し、学校行事との日程などを調整し、予算を執行します。

太陽光発電の設置・校庭の芝生化・トイレ洋式化・屋上緑化など各整備計画に基づく仕事

 近年は、公共施設に関して、率先して環境に配慮した、再生可能エネルギーなどの導入を進めており、学校においても、太陽光発電を設置し、学校での電力需要の一部を賄うなど、設置を進める場合があります。また、校庭の芝生化やトイレの洋式化・屋上緑化など、様々な工事を伴う取り組みについて、各学校を視察し、校長や教員の話を聞きながら、どの学校を優先的に着手していくか、検討を行います。その後、予算計画を立て、工事部署に依頼していきます。

 

校内電気点検などに関する仕事

 

自家用電気工作物の保安管理業務に関すること

自家用電気工作物(キュービクル)とは、沢山の電気を必要とするオフィスビルや商業施設などに設置されている変電設備のことです。学校も大きな建物になりますので、漏れなくこの設備が設置されています。変電所(発電所)から送られてくる6,600V(ボルト)の電気を100V200Vに変圧するために設置されています。

ファミリーレストランなどの来場型の店舗には、駐車場にキュービクルが設置されていることが多いので、無意識にご覧になっている方も多いとは思います。

ある一定のライン(電気の使用量)を超過するとキュービクルの設置義務が発生します。

 自家用電気工作物の保安について

自家用電気工作物は、電気事業法第42条によって自主保安を行うことや、自家用電気工作物を設置した際は経済産業大臣に届け出ることなどが定められています。自主保安とは、定期点検を中心とした業務のことです。原則は自主保安なので、点検を行える資格を持った人を雇い、点検を行うことが義務付けられています。

 自家用電気工作物の保安点検業務を行える資格とは?

自家用電気工作物の保安点検業務を行うには、電気主任技術者の資格が必要です。先ほど、自家用電気工作物を設置している施設は、電気主任技術者を雇用して定期的に保安点検をしてもらうことが義務付けられていると書きましたが、外部業者に保安点検を委託することもできます。10年ほど前までは外部委託先が関東電気保安協会しかなかったため、協会に特命をしていたが、電気事業法の改正により「電気保安法人」という制度ができた。これにより、他の民間業者の参入を図るため、入札の門戸を広げている。

委託業者が決まれば、外部委託承認申請書と保安規定変更届と契約書を経済産業省へ提出することになっており、これは発注元から出すのが原則だが、業界の慣例で代わりに、委託業者で作ったものに、代表者印(公印)を押して、提出する。毎年、業者が変わるたびに、手続きは行う必要があります。きちんと書類を整えて提出しないと、経済産業省で書類が受理されないこともあるので、注意が必要です。

 自家用電気工作物の保安点検とは具体的にどのようなことをするのか?

自家用電気工作物の保安点検には年次点検・月次点検などがありますが、その頻度は法律で定められてはいません。経済産業省へ届け出を出す際に、「このくらいの頻度で点検を行います」と報告します。とはいえ、数年に1度というわけにはいきません。点検頻度については、各都道府県にある電気保安協会などがガイドラインを作成していますので、それを参考に決めます。外部業者に委託する場合は、業者が頻度を提示してくれます。これら業者との様々な調整業務も重要な仕事です。

 毎月の点検結果報告書(紙ベース)を確認し、請求書など支払い関係書類を集め、支払い業務を実施します。学校数が多い自治体は業務の比重が重くなります。

工事校については、別途取扱います。仮設校舎などで運営している学校は、仮設校舎のリース契約に含まれているので、特に外部委託を行う必要はないが、年度途中で工事が終わったり始まったり、年度途中で受電容量が変更になったりするなど、他校と仕様が異なる場合や、変更が生じる恐れのある学校は、その都度、契約金額等の変更手続きを行う必要があります。年度途中で竣工する学校分は、それまでに年度の残り分の契約をするなど、いろいろな手続きが面倒です。契約や契約後の届出が遅れると主任技術者から登録の変更ができず、責任の所在が曖昧になるので、余裕を持って契約しておく必要があります。

 

耐震に関すること

 IS値で示され、0.6以上は特に問題なしとされており、文科省の小中学校基準に準じ、高等学校も0.7以上が望ましいとされています。昭和56年以降の建築物は、新耐震基準を満たしているため、問題ないとされています。建物の耐震度はすべてIS値というもので図られ、高ければ高いほど、頑強であるということになります。

一般的に求められるIS値は0.6とされますが、学校は重要な公共施設のため、0.7以上であることが望ましいとされていますが、昭和56年に法改正され、それ以降の建物は「新耐震基準」により建てられており、それらは0.7以上のIS値があることになっています(耐震偽装がなければ)。それ以前の建物は旧耐震基準の建物と位置付けられていますので、耐震に関する対策が必要です。実務的には、文部科学省などが実施している耐震リスト調査などに毎年更新情報を回答するために、学校の耐震化施工状況などを把握し、リストの整理をしておくことが必要です。また、近年は体育館や武道場の釣り天井などの非構造部材と言われる構造物の耐震化も文部科学省で進めており、自治体でも工事を順次行っているので、それら工事計画の管理を行います。釣り天井や壁など建物の中心的な構造物以外のものを非構造部材と呼びますが、それらのものが老朽化などにより、崩れたりして、生徒に怪我をさせてしまうような事故があったので、壁や天井などの耐震化だけでなく、定期的な目視や打診による点検なども各学校で行うことになっており、それらの指導や業者の手配等の調整も行う必要があります。

アスベスト・PCB・フロンに関すること

アスベスト

危険性の高いものから、①吹付け材②保温材等③成形板に分けて考えます。さらに、アスベストが使われている場所やその状態で危険度を判断している。建築物にアスベストが使用されていると、そこを利用する人が健康障害をおこすおそれがあります。大気環境中へのアスベスト飛散防止対策として、「大気汚染防止法」に基づき、特定建築材料が使用されている建築物等の解体、改造、補修作業を行う際には、事前に都道府県等に届出を行い、石綿飛散防止対策(作業基準の遵守)が義務づけられていますので、教育委員会で施工する修繕、改修、改築などのすべての工事においてもこれら規定を順守する必要があります。具体的には、施工時に壁などの建築部材にアスベストが含まれていないか調査し、もし、アスベストが検出されれば、除去工事を行ったうえで、本体工事に入るように業者との契約において調整する必要があります。アスベストの調査は、その場所を施工するのかわかってから、調査する方が、サンプルの範囲を限定できるので、うまく計画的に行うことが大事です。学校の改築を行う際にも、基礎調査の段階でアスベストの調査を実施しておくなど、工夫が必要です。

規制の対象となる作業も規定されていて、石綿を飛散させる原因となる建築材料(特定建築材料といいます)が使用されている建築物又は工作物を解体、改造、補修する作業が対象となります。特定建築材料とは、吹付け石綿、石綿を含有する断熱材、保温材及び耐火被覆材(石綿が質量の0.1%を超えて含まれているもの)のことです。

また、大気汚染防止法の一部を改正する法律(平成25621日法律第58号)により、届出の義務者を発注者等に変更、受注者に対し特定建築材料の使用の有無の調査、調査結果の発注者への説明、調査結果の掲示を義務付けされています。

PCB

 PCBはPoly Chlorinated Biphenyl(ポリ塩化ビフェニル)の略称で、ポリ塩化ビフェニル化合物の総称で、加熱や冷却用熱媒体、変圧器やコンデンサといった電気機器の絶縁油、可塑剤、塗料、ノンカーボン紙の溶剤など、非常に幅広い分野に用いられたものですが、一方で、生体に対する毒性が高く、脂肪組織に蓄積しやすい。発癌性があり、また皮膚障害、内臓障害、ホルモン異常を引き起こすことが分かっている危険なものです。日本では、1972年に行政指導という緊急避難的な措置として製造・輸入・使用を原則として中止させ、法的に禁止しています。PCBを含む廃棄物は、処分まで使用者が保管すると義務付けられたが、電気機器等については、耐用年数を迎えるまで使用が認められているので、PCBの危険性に対する認識が風化し、保管されていた廃棄物が他の産業廃棄物と一緒に安易に処理されるなど、行方不明になる例が報告されることも多々ある状況で、依然として日本国内ではPCBを使用した機器があふれていることが問題視されています。一例では東京都八王子の小学校にて、相次いで照明器具(蛍光灯)内のPCBを使用したコンデンサが老朽化のため爆発、生徒や児童に直接PCBが降りかかるといった事故が発生したり、2013年に至っても北海道の中学校で同様の事故が発生するなど、公共施設をはじめ多くの場所で使用され続けているのが現状です。

  こういった状況をうけ、所管部署では、学校でのPCBの使用状況や保管状況を毎年調査して、取りまとめを行い、状況を国に報告する。また、学校の事務長などに人事異動等があった場合は、特別産業廃棄物管理責任者の変更届を提出させたり、管理責任者向けの所定の講習を受けさせたり、随時の指導を行います。

 フロン

  フロン排出抑制法に基づき、年に3回の簡易点検、3年に1回の定期点検、漏えい量報告が等必要になりました。

各校に調査依頼し、取りまとめますが、フロン類の漏えい量調査は漏えいが発覚したときに測られるものではなく、修理したときに測られるので、。修理業者から該当校にフロン類の種類、漏えい量が書かれた報告書が渡され、それをもとに各校にはその数字を回答してもらいます。

平成27年度からフロン排出抑制法の改正により、空調機器等の設置者には定期的に点検する義務が課されたました。学校の職員が行う「簡易点検」(1年に4回)と業者が行う「定期点検」(3年に1回)があります。

簡易点検について、各校に説明を行ったり、学校からくるであろう「1年に4回の簡易点検は到底できない」となどの批判に対応し調査する必要があります。学校で契約している環境整備業務委託などの仕様書の中に点検を盛り込んだりすることで、学校の職員の負担軽減のための方法を考えなくてはなりません。

 定期点検について、平成27年度から適用されたフロン排出抑制法では3年に一度、業者による定期点検を行わなければならないので、業者の手配を行う必要があります。